「ミの旋法」初体験——ファンダンゴス・デ・ウェルバ|フラバン収録曲 全曲解説④

こんにちは!

フラメンコギター池川です。

著書「フラバン!〜ゼロからはじめるフラメンコ伴奏ガイドブック」の収録曲を1曲ずつ紹介するシリーズ、今回は ④「ファンダンゴス・デ・ウェルバ」です。

「ウェルバのファンダンゴス」という意味のこの曲。セビジャーナスと同じく1番から4番まで歌がありますが、決定的に違うところがあります。

それは、歌の順番を歌い手が自由に変えてもOKということ。フラメンコの「その場で決まる」感覚が、初めて顔を出す曲です。

セビジャーナスとの違いは「自由さ」

フラバン紙面より:ファンダンゴス・デ・ウェルバ(SAMPLE)

構成は、カンテ・サリーダ(歌い手の声慣らし)→歌1番〜4番→エンディングの歌。エンディングは通称「アリマテ」と呼ばれ、速度が少し上がって盛り上がります。

コンパスは12拍。E7→Am、そしてG→F→Eと下りてくる進行が出てきます。このソからファ、ミへ半音ずつ下りる響きこそ、フラメンコらしさの正体「ミの旋法」。ここから先の曲種で何度も出てくる、大事な響きです。

かんたんバージョンはセビジャーナス同様、人差し指1本でOK。カッコいいバージョンはアバニコ奏法で華やかに弾きます。

アリマテ——歌い手と一緒に駆け抜けるエンディング

フラバン紙面より:ファンダンゴス・デ・ウェルバのコンパス(SAMPLE)

エンディングの歌「アリマテ」では、速度が上がり、音数も増やして踊り手・歌い手を盛り上げます。C→G7、F→E、と切り替わる瞬間の気持ちよさは、弾いた人にしかわかりません(笑)

出てくるコードは9種類とやや増えますが、Fはセーハなしの押さえ方を紹介しているので、初心者の壁「Fで挫折」を回避できます。こういう逃げ道の用意も、ゼロから始める人のための設計です。

歌に合わせてコード進行を切り替えるのは慣れが必要ですが、まずは本の進行表をまるごと覚えてしまうのが近道です。

模範演奏と解説はこちらの動画でどうぞ。

ギターの音を抜いた練習用音源はフラバン音源のページにまとめてあります。

次回は第3章・4拍子系の入口「タンゴス」。ラスゲアードが本格登場します。

※記事内の紙面画像は「フラバン!〜ゼロからはじめるフラメンコ伴奏ガイドブック」(池川寿一 著)より。

この記事のテキスト『フラバン!』

「フラバン!〜ゼロからはじめるフラメンコ伴奏ガイドブック」(池川寿一 著)。譜面が読めなくても弾けるオリジナルの「かんたん伴奏進行表」で全10曲を収録。全曲に模範演奏&解説動画とギター音無し音源つきなので、買ったその日から踊り手・歌い手と合わせる練習ができます。

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