踊る人もカンテを習うべき?|上手に歌えなくていい、歌を知ると振りの「なぜ」が見えてくる

こんにちは!

フラメンコギター池川です。

踊りだけでも覚えることがたくさんあるのに、歌まで習うなんて。

歌には全く自信がない、という方も多いと思います。

踊りを習っている人踊りを習っている人
カンテって、踊る人も習ったほうがいいんでしょうか。歌は全く自信がなくて…。
池川池川
分かります。先に答えを言いますね。上手に歌えるようになる必要は、ありません。

でも、少しでも歌を知っていると、踊りはぐっと変わります。今日は、なぜ歌を知ると踊りが変わるのかと、歌い手を目指さなくてもできる歌との付き合い方をお話しします。

▼ 動画でも話しています

歌を知ると何が見えてくるのかを、具体例を交えてお話ししています。再生しながら読んでも、先に見てからでも大丈夫です。記事はこの下に続きます。

歌を知ると、踊りが変わる理由

図解:歌を知ると踊りが変わる

フラメンコの踊りの振りは、多くの場合、歌に合わせてできています。歌が始まるところで、踊り手は動きを抑えて歌を聞かせる。歌がひと区切りついたところで、足を入れたり、決めのポーズをつくったりする。つまり、振りの「なぜここで」の答えは、歌の中にあることが多いんです。

歌を知らないまま踊ると、振りを「順番」として覚えることになります。8つ数えたら右、次の8つで回る、という具合に。でも歌を知っていると、「歌い手がここで息を吸うから、ここで止まる」と、理由で覚えられます。理由で覚えた振りは、本番で少し速さが変わっても崩れにくいんですよね。

伴奏しているぼくから見ても、歌を聞いている踊り手さんはすぐに分かります。歌の終わりに向かって、体の準備が始まっているからです。こういう踊り手さんとは、ギターも歌も本当に合わせやすいんです。

歌い手を目指さなくてもできる3つのこと

図解:歌との付き合い方3つ

1 いま踊っている曲の歌を、毎日少しだけ聞く

新しい曲を探さなくて大丈夫です。クラスで使っている音源の、歌の部分だけでいいんです。

2 歌い手が息を吸うところに印をつける

声が途切れて、すっと息を吸う瞬間。そこが歌のひと区切りです。踊りの止まるところや決めるところは、たいていこの区切りの近くにあります。

3 歌の最初の一言だけ、口ずさんでみる

全部歌えなくて大丈夫です。最初の一言が言えると、「ここから歌が始まる」が体で分かるようになります。もっと深めたくなったら、歌の先生のクラスやワークショップに参加してみるのもおすすめです。歌い手さんから直接教わると、「ここで踊り手が入ってくれると歌いやすい」という、歌う側の気持ちも分かります。

ここがポイント
たとえばアレグリアスの踊りで、歌が始まる場面。歌を知らないと、歌が始まったことに少し遅れて気づきます。歌を知っていると、歌い手が息を吸った瞬間に「来る」と分かります。このほんの一瞬の差が、踊りの落ち着きにつながります。

よくいただく3つの質問

図解:よくある3つの質問

踊りを習っている人踊りを習っている人
声に本当に自信がないんです。人前で歌うなんて絶対に無理です。

大丈夫です。人前で歌う必要は全くありません。家で小さな声で口ずさむだけで十分です。大事なのは、上手に歌うことではなく、歌の形を体に入れることなんです。

「どの曲種の歌から聞けばいいか分からない」という質問には、いまクラスで踊っている曲種の歌から、とお答えしています。いま踊っている曲の歌を知るのが、いちばん早く踊りに効きます。それができたら、次に踊る予定の曲へ広げていきましょう。

「仕事があって練習の時間が取れない」という方は、通勤中や家事をしながら聞くだけでも大丈夫です。最初は、歌い手が息を吸うところをひとつ見つけるだけ。1日にひとつ見つかれば、1週間で7つです。

やりがちな3つの間違い

図解:やりがちな3つの間違い

1つ目は、いきなり全部の歌を覚えようとすること。歌詞もメロディーも全部となると、それだけで疲れてしまいます。最初の一言と、息を吸う場所だけで十分です。

2つ目は、踊りの練習音源の、歌の部分を飛ばしてしまうこと。足の練習をしたいからと、歌の部分を早送りしていませんか。歌の部分こそ、踊りの「なぜ」が詰まっているところです。

3つ目は、歌い手の声の大きさだけを聞いてしまうこと。大きい声の部分だけでなく、声が小さくなって、すっと消えていくところも聞いてみてください。そこに、ひと区切りのサインがあることが多いんです。歌の最後の言葉が聞こえた瞬間に次の動きの準備ができると、決めのポーズが歌とぴったり重なって、見ている人にもとても気持ちよく映ります。

今日からやってみること

  • □ いま踊っている曲の歌を、今日1回聞いた
  • □ 歌い手が息を吸うところを、ひとつ見つけた
  • □ 歌の最初の一言を、小さな声で口ずさんでみた
  • □ 練習音源の歌の部分を、飛ばさずに聞いた

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