フラメンコ奏法に耐えるウクレレの選び方|テナーorコンサート?後悔しない3つの基準

こんにちは!

フラメンコギター池川です。

「ウクレレでフラメンコをやってみたいんですけど、家にあるウクレレでいいですか?」

最近、こう聞かれることが増えました。

答えは「弾けます。でも、ジャカジャカやるなら楽器は選んだほうがいい」です。

フラメンコの命ともいえるラスゲアード(指を連続で振り下ろすジャカ弾き奏法)は、ウクレレにとってはかなりの「激しい運動」。ふつうのウクレレだと、音が潰れたり、弦がベチベチ言ったりして、せっかくのカッコよさが半減してしまうんです。

実はぼく自身、いまフラメンコ奏法専用のウクレレを本気で探している真っ最中。VIVAフラにはウクレレ教室もあって、ウクレレでフラメンコを楽しむ「ジャカメンコ」の教本企画も進んでいます。その下調べで分かったことを、この記事に全部まとめました。

「ウクレレって全部同じじゃないの?」という方こそ、ぜひ読んでみてください。選び方はたった3つの基準でスッキリします。

※「そもそもウクレレでフラメンコってどんな感じ?」という方は、こちらの記事からどうぞ → ウクレレでフラメンコが弾ける?初心者でも楽しめる理由と始め方

なぜ「ふつうのウクレレ」だとラスゲアードで音が負けるのか

ソプラノウクレレをジャカ弾きして音が負けてしまい苦笑いする男性

まず、なぜ楽器選びが大事なのか。理由はシンプルです。

ウクレレの多くは、ポロンポロンと優しく爪弾くために作られているから。

一般的なソプラノやコンサートサイズのウクレレは、弦の張りがゆるめです。だからこそ指が痛くなりにくく、初心者に優しい。これはこれで、ウクレレの素晴らしい長所です。

ところが、フラメンコのラスゲアードは指4本を高速で連続して振り下ろす奏法。ゆるい弦にこれをやると、弦が大きく暴れて指板やフレットに当たり、「ベチッ」というノイズになります。音がひしゃげて、リズムの輪郭もぼやける。

ぼくはこれを勝手に「弦が負ける」と呼んでいます(笑)

さらにフラメンコには、ボディを指で叩いてパーカッションにする「ゴルペ」という技もあります。小さくて軽いウクレレだと、この打音も「ポコッ」と軽くなりがち。

つまり、フラメンコ奏法に必要なのは「連打しても暴れない弦の張力」と「叩いても鳴り負けないボディ」。この2つを満たすかどうかが、選び方の出発点になります。

サイズはテナーかコンサート!本命はテナー

テナーウクレレを笑顔で力強くストロークする男性

結論から言います。フラメンコ奏法で使うなら、おすすめはテナーまたはコンサート。そして本命はテナーです。

ウクレレには主に3つのサイズがあります。

  • ソプラノ:いちばん小さい定番サイズ。軽くて可愛いが、弦はいちばんゆるい
  • コンサート:弦長約380mm。ソプラノよりひと回り大きい中間サイズ
  • テナー:弦長約430mm。プロのソロ弾きにも選ばれる大きめサイズ

テナーは弦長が約430mmと長いぶん、同じチューニングでも弦の張力が高くなります。この「張りの強さ」こそが、ラスゲアードの連打を受け止める生命線。指で連続して掻き鳴らしても弦が暴れず、一発一発の音の輪郭がくっきり立ちます。

ボディも大きいので音量がしっかり出て、ゴルペの打音も「コンッ」と気持ちよく響く。さらに、4弦を低い音に張り替える「Low-G」というセッティング(音域が下に広がり、伴奏がぐっとフラメンコらしくなります)との相性もいい。

じゃあコンサートはダメなのかというと、そんなことはありません。コンサートには「軽くて疲れにくい」「弦の張りがやや柔らかく、左手が楽」という良さがあります。すでにコンサートをお持ちの方や、長時間気楽に弾きたい方は、コンサートでジャカ弾きを始めても十分楽しめます。

ひとつだけ避けてほしいのがソプラノ。いちばん小さい定番サイズですが、弦がゆるすぎてラスゲアードの連打には向きません。

「テナーは大きくて難しそう…」と思うかもしれませんが、ギターよりはるかに小さくて軽いですし、ネックの太さはコンサートとほぼ同じ。実際、激しいストローク系の世界的プレイヤーは女性も含めてほぼテナーを使っています。手の小さい方でも心配いりませんよ。

価格帯はどう考える?2万円クラスと単板ハワイ製は「別世界」

楽器店のウクレレ売り場で価格を見ながらワクワク眺める男性

次に気になるのがお値段ですよね。

ぼくの結論はこうです。

「おうちで楽しむなら2万円クラスで十分。人前で弾くなら単板ハワイ製クラスは別世界」

2万円前後のテナーウクレレは、いまは作りがしっかりしていて、練習用としてはまったく問題ありません。実際VIVAフラでも、このクラスを貸出用・入門用として使っています。「まずジャカ弾きを体験してみたい」なら、ここから始めるのが正解です。

ただし。楽器店で単板(1枚の無垢材でできた板)のハワイ製ウクレレを弾いた瞬間、世界が変わります。

音の伸び、音量、そして掻き鳴らしたときの「コシ」。合板の楽器が「鳴っている」だとしたら、単板のハワイ製は「歌っている」。大げさじゃなく、それくらい違うんです。

ライブや発表会など人前で弾く予定があるなら、思い切って単板クラスを視野に入れる価値があります。逆に言えば、そこまでは2万円クラスで焦らずじっくり。上達してから買い替えても、遅くはありません。

1〜2万円台で始めるなら、この2本がおすすめ

※価格・在庫は変動します。リンク先が切れている場合は「KALA KA-15T」「KALA KA-C」で検索してみてください。

ブランドは?KoAloha KTM-00とKamaka HF-3を比べてみた

楽器店で2本のナチュラル木目のウクレレを見比べる男性

「じゃあ具体的にどれ?」という方のために、ハワイ製の代表格を2つ紹介します。ぼくがいま候補として調べ込んでいる2本です。

KoAloha(コアロハ) KTM-00(実売17.5万〜25万円)

  • 音量は世界最大級とも言われる、とにかくよく鳴るウクレレ
  • 乾いた明るいアタック音が特徴
  • Low-G仕様の設定あり

フラメンコギターの世界には、乾いた明るい音で伴奏に向く「シプレス(糸杉)」という材の伝統があるのですが、KoAlohaのカラッと抜けるアタックは、まさにそのキャラクター。ジャカ弾きしたときの歯切れの良さは、フラメンコ奏法と相性抜群です。

Kamaka(カマカ) HF-3(35万〜45万円)

  • 100年以上の歴史を持つ、ウクレレ界の王様的ブランド
  • 甘く上品な音色で、しっとりした表現が得意

Kamakaはうっとりするほど美しい音なのですが、キャラクターとしてはハワイアン寄り。優雅に歌わせる楽器という印象です。

だからぼくの本命は、いまのところKoAloha。「フラメンコのリズムをガンガン刻みたい」なら乾いて明るいKoAloha系、「ソロで甘く歌わせたい」ならKamaka系、と覚えておくと選びやすいですよ。

通販で探したい方へ(お近くに取扱店がない場合はこちら)

※在庫や出品ページは変わりやすく、リンク先が切れてしまう場合があります。その際は「KoAloha KTM-00」「Kamaka HF-3」で検索してみてください。高額モデルは、できれば試奏してからの購入がおすすめです。

高いウクレレほど「必ず試奏」!都内ならキワヤ商会→クロサワ楽器

楽器店でウクレレを試奏しながら店員に相談する男性

最後に、いちばん大事な話をします。

単板クラスのウクレレは、絶対に試奏してから買ってください

ハワイ製の高級ウクレレは、天然木を1本1本手作業に近い形で仕上げています。だから同じモデルでも、個体によって鳴り方がけっこう違う。ネットの試奏動画で「最高!」と思って取り寄せたら、届いた個体はちょっとおとなしかった…なんてことも起こり得ます。

20万円の買い物で「こんなはずじゃ…」は悲しすぎますよね。

都内で試すなら、ぼくのおすすめルートはこうです。

  • キワヤ商会(台東区):KamakaとKoAlohaの正規代理店で、在庫の豊富さは国内トップクラス。電話で予約すれば、同じモデルの複数個体を弾き比べさせてもらえます。これが本当にありがたい
  • クロサワ楽器:こちらもウクレレの品揃えが充実。キワヤで本命を絞ったあと、別の視点で比較するのにぴったり

お店では、遠慮せずにラスゲアードを軽く試させてもらいましょう。「フラメンコ奏法で使いたいんです」と伝えれば、店員さんも張力や材質の面からアドバイスをくれます。

ちなみにぼくも近々、この2店ルートで試奏ツアーを敢行予定。人生でいちばん真剣にウクレレを掻き鳴らしてきます(笑)

「ウクレレでフラメンコって、実際どんな音になるの?」という方は、ぼくの演奏をどうぞ。ウクレレでセビジャーナスを弾き語りしてみました↓

【まとめ】フラメンコ奏法で使うウクレレ選び、3つの基準

  • サイズはテナーかコンサート(本命はテナー):弦長430mmの張力がラスゲアードに負けない。軽さ重視ならコンサートもOK
  • 価格は用途で決める:練習は2万円クラスで十分、人前なら単板ハワイ製が別世界
  • 高額機は必ず試奏:個体差があるので、キワヤ商会→クロサワ楽器で弾き比べを

ウクレレでフラメンコのリズムを刻む「ジャカメンコ」の世界、楽器がハマると本当に楽しいですよ。

あなたの1本選びの参考になればうれしいです。

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