こんにちは!
フラメンコギター池川です。
生のギターで踊ってみたい。でも、その前に手が止まってしまう。そんな声をよく聞きます。
踊り手さん
池川ぼくはこれまで、1000人以上の踊り手さんと共演してきました。
その中で何度も感じてきたのは、踊りの技術よりも先に、「お願いの仕方」と「お礼の仕方」で立ち止まっている人がとても多いということです。
しかもこの話は、なかなか人に聞けません。お金の話は、聞きにくいですよね。
そこで今日は、伴奏する側にいるぼくの目から、フラメンコの伴奏をギタリストに頼むときの流れを、最初の連絡から終わったあとのお礼まで、まとめてお話しします。
謝礼の「相場」は、この記事には書いていません。本当にケースバイケースだからです。その理由と、それでも迷わず決められる考え方は、4つ目の見出しでくわしくお話しします。
▼ 動画でも話しています
ギターと合わせているとき、「もう一度お願いします」が言い出せない。そんなときの頼み方を、YouTubeでお話ししています。再生しながら読んでも、先に見てからでも大丈夫です。記事はこの下に続きます。
頼む前に確かめておきたい7つのこと

ギタリストに声をかける前に、次の7つを確かめておきましょう。
ここが分かっていると、頼まれる側はとても返事がしやすくなります。
1 どんな場で踊るのか
- 発表会
- ライブ(お店・タブラオ)
- 練習会
- お祭りやイベント
- 撮影(動画を残したい)
場によって、ギタリストが準備することも、かかる時間もまったく違います。
2 何を踊るのか
- 曲種(ソレア、アレグリアス、タンゴなど)
- だいたいの長さ(何分くらいか)
- 歌い手さんはいるか
3 いつ・どこで
- 日にちと時間(候補が複数あると親切です)
- 会場の場所
4 当日の流れ
- 何時に会場に入ればいいか
- 音出し(会場で軽く音を確かめる時間)はあるか
- 出番は何時ごろか
5 お礼をどう考えているか
金額をきっちり決めていなくても大丈夫です。
「お礼はご用意しています。どのくらいがよいか教えてください」と言える準備をしておけば十分です。
6 音響はどうなっているか
- マイクはあるのか、ないのか
- 音響スタッフさんはいるのか、いないのか
この2つは、分かる範囲で最初に伝えておきましょう。ギターは、マイクがあるかないかで、聞こえ方も準備もまったく変わります。
踊り手さん
池川7 遠くから来てもらうとき
遠方のギタリストにお願いするときは、謝礼のほかに次のことも忘れずに。
- 交通費(新幹線・飛行機など)
- 宿泊費
- 車で来てもらう場合、交通費は謝礼に込みなのか、別なのか(ガソリン代・高速代・駐車場代)
- 会場入りがとても朝早い、または終わりが夜遅いとき、前の日に泊まるのか、当日に泊まるのか
泊まりが必要かどうかは、頼む側からは見えにくい所です。
時間が分かった時点で、「前泊か当日泊が必要でしたら教えてください」と一言そえておくと安心です。
誰に頼む?ギタリストの探し方

いちばん安心なのは「先生に相談する」
習っている先生がいるなら、まず先生に相談しましょう。
先生は、どのギタリストがどんな曲を得意としているか、あなたの踊りと合いそうか、をよく知っています。先生を通して声をかけてもらえれば、ギタリストも安心して受けられます。
教室や練習会で出会った人に頼む
練習会や発表会で一緒になったギタリストに、直接声をかけるのもよい方法です。
一度でも一緒に音を出したことがある相手なら、お互いの様子が分かっていて頼みやすいからです。
知り合いからの紹介
「〇〇さんに紹介してもらいました」は、とても強い一言です。初めての相手でも、間に人が入るだけで安心感がまったく違います。
SNSで見つけた人に頼む
いきなりでも大丈夫です。ただし、自分が誰で、何をお願いしたいのかをはっきり書きましょう。次の見出しの文面を、そのまま使ってください。
頼む相手を選ぶときの目安
- その曲種の伴奏をしているところを見たことがあるか(動画でもOK)
- 会場まで無理なく来られる場所に住んでいるか
- あなたの踊りの経験年数に、合わせてくれそうか
そのまま使える、伴奏の頼み方(文面つき)

文面は、ていねいすぎなくて大丈夫です。
大事なのは、1回読んだだけで、何を頼まれているのか分かることです。
文面1 初めての人に直接頼む
はじめまして。〇〇と申します。〇〇先生のもとでフラメンコを習っています。
〇月〇日(〇)に〇〇(会場名・地域)で行われる〇〇(発表会・ライブなど)で、ソレアを1曲(約〇分)踊る予定です。その伴奏をお願いできないかと思い、ご連絡しました。
・日時:〇月〇日 〇時ごろ出番予定(会場入りは〇時ごろ)
・場所:〇〇
・歌い手さん:〇〇さん(予定)
・音響:マイクあり/音響スタッフさんありお礼はご用意しております。どのくらいご用意すればよいか、交通費も含めて教えていただけますとうれしいです。
ご都合が合わない場合も、お返事いただけると助かります。どうぞよろしくお願いいたします。
文面2 先生や知り合いに紹介してもらったとき
はじめまして。〇〇先生(〇〇さん)からご紹介いただきました、〇〇と申します。
(このあとは、文面1の「〇月〇日に〜」から同じです)
文面3 一度一緒にやったことがある人に頼む
〇〇さん、先日の〇〇ではありがとうございました!
実は〇月〇日に〇〇で踊ることになり、また〇〇さんに伴奏をお願いできたらと思って連絡しました。
(日時・場所・曲・音響・お礼のことを箇条書きで)
返事が来ないとき
3〜4日たっても返事がなければ、もう一度だけ短く送って大丈夫です。
先日ご連絡した〇月〇日の伴奏の件ですが、届いているか気になってもう一度お送りしました。お忙しいところすみません。
それでも返事がなければ、ほかの方に頼みましょう。伴奏者は移動中や本番中が多く、メッセージを見落としていることも少なくありません。
断られたとき
断られるのは、あなたの踊りのせいではありません。ほとんどは、日程や移動の都合です。
了解しました!またの機会にぜひお願いします。
と返しておけば、次につながります。
謝礼・お礼の考え方|相場が書けない理由と、迷わない決め方

相場が「ピンキリ」な理由
謝礼は、本当にケースバイケースです。無料で弾いてくれる場もあれば、しっかりお支払いする場もあります。
なぜそんなに違うのか。ギタリストの側から見ると、次のようなことで大きく変わるからです。
- 移動の時間:会場まで30分なのか、3時間なのか。1時間の伴奏のために何時間も移動するのは、とても大変です。
- 移動の手段:電車なのか、車なのか。会場が駅から近いのか、遠いのか。
- 拘束される時間:出番が1曲でも、会場入りから終わりまで何時間もいることがあります。
- 曲数と準備:1曲か、何曲もあるか。
- 場の性格:お客さんからお金をいただくライブか、仲間うちの練習会か。
- 関係性:同じ教室の仲間か、初めてお願いする人か。
踊り手さん
池川迷わないための3つの軸
金額で迷ったら、次の3つで考えてみてください。
- 相手が使う時間の合計(移動+待ち時間+演奏)
- 相手にかかるお金(交通費・駐車場代・宿泊費など)
- その場で、お客さんからお金をいただくかどうか
この3つが大きいほど、お礼もしっかり考えます。
いちばん確実なのは「率直に聞く」
いちばん失礼がないのは、聞いてしまうことです。
お礼はご用意しています。交通費も含めて、どのくらいご用意すればよいか教えていただけますか。
この一言で、ほとんどのギタリストは気持ちよく答えてくれます。
聞かずに想像で決めて、少なすぎたり多すぎたりするほうが、お互いに気をつかいます。
交通費の扱い
- 謝礼とは別にお渡しするのか、込みなのかを、最初に確かめておきましょう。
- 車の場合は、駐車場代やガソリン代、高速代も忘れずに。
渡し方
- 当日、封筒に入れて、出番の前か終わったあとに手渡しするのが一般的です。
- 封筒には、名前と「御礼」と書いておくとていねいです。
- 振り込みにする場合は、事前に口座を聞いて、いつ振り込むかを伝えておきましょう。
「また一緒にやりたい」と思われる人がしていること

当日
会場に着いたら、まずギタリストにあいさつをしましょう。それだけで、その日の空気がやわらかくなります。
終わったあと
その日のうちに、ひとことお礼のメッセージを送りましょう。
今日はありがとうございました!〇〇のところ、〇〇さんのギターのおかげで気持ちよく踊れました。またぜひお願いします。
どこがよかったかを1つだけ書くのがコツです。「ありがとうございました」だけより、ずっと心に残ります。
動画を撮っていたら、許可を取ったうえで、相手にも送ってあげると喜ばれます。
また声をかけたくなる人の共通点
伴奏する側から見て、また一緒にやりたいと思うのは、どんな人でしょうか。
踊りが上手かどうかだけでは、決まりません。
- 連絡が分かりやすい
- 時間を守る
- お礼のことを、最初にきちんと話してくれる
- 本番でうまくいかなくても、人のせいにしない
- 終わったあとに、ひとこと感想をくれる
どれも、今日からできることばかりです。
「合わなかったな」と感じたとき
本番で「なんだか合わなかったな」と感じることもあります。
そんなときは、相手を責めるのではなく、「次はどこを伝えておけばよかったか」を1つだけメモしておきましょう。その1つが、次の本番をぐっと楽にしてくれます。
頼む前のチェックリスト
- □ どんな場で踊るか決めた
- □ 曲種と長さを決めた
- □ 日時と会場、会場入りの時間が分かっている
- □ 歌い手さんがいるか分かっている
- □ マイクがあるか、音響スタッフさんがいるか分かっている
- □ お礼を用意する気持ちと、聞き方の一言を準備した
- □ 交通費を別にするか、込みにするか確かめる
- □ 遠方の場合、宿泊費と、前泊か当日泊かを確かめる
生伴奏で踊るのは、「頼む」ところから始まっています。
上手にお願いできて、気持ちよくお礼ができる人は、不思議と、本番でもギタリストとよく息が合います。
この記事が、あなたの最初の一通を送るきっかけになればうれしいです。
VIVAフラでは、講師たちが一緒に、生伴奏で踊る機会づくりをサポートしています。「誰に頼めばいいか分からない」ときは、練習会に来てみてください。そこで出会うギタリストが、あなたの最初の伴奏者になるかもしれません。
練習しているのに、生のギターと合わせるとうまく踊れない方へ
頼めたあとの「合わせ」と「本番」で困らないための考え方を、伴奏者の目線でまとめました。電子書籍に、ぼくの解説動画と購入特典がついています。
この記事の内容を、もっと深く
ぼくの教材で、続きを練習してみませんか
フラメンコ舞踊伴奏マスタープログラム踊り手・歌い手との本番映像で、17曲種の伴奏を1巻 6,000円〜・中身を見る ▶
【新刊】フラメンコのレトラ(歌詞)がわかる本18曲種の歌詞を、名唱を聴きながら1行ずつ読み解く10月20日(火)19:00 発売・中身を見る ▶どれも買い切り。動画と楽譜(PDF)が、購入後すぐにメールで届きます。

























