こんにちは!
フラメンコギター池川です。
「Bamboleo」や「Volare」のギターを聴くと、つい体が動く。いつか自分でも、あの音を出してみたい。
そんな気持ちでフラメンコギターに興味を持った方へ。「ジプシーキングスから入ってもいいのかな」と、入口で立ち止まらなくて大丈夫です。
ただ、好きな曲のルンバと、踊りの伴奏で学ぶソレアやブレリアは、リズムも進め方も同じではありません。まず好きなルンバを弾き、そこから興味が広がった曲種へ進む。ぼくは、そんな始め方をおすすめしています。
今回は、ジプシーキングスとフラメンコのつながり、ルンバから何を練習するとよいか、レッスンで希望を伝えるコツまでお話しします。
ジプシーキングスとフラメンコは、どうつながっている?

ジプシーキングスの音楽には、フラメンコのギターや歌の響きと、ポップス、ラテン音楽の要素が混ざっています。公式プロフィールでも、伝統的なフラメンコのスタイル、西洋のポップス、ラテンのリズムを組み合わせた音楽として紹介されています。
南フランスで育まれた彼らのサウンドは、ルンバ・フラメンカやルンバ・カタラーナといった言葉とともに語られます。ここで「フラメンコとは完全に別の音楽」と線を引くと、つながりが見えにくくなります。
一方で、彼らの録音を一曲聴けばフラメンコ全体が分かる、というわけでもありません。フラメンコには、歌や踊りと呼吸を合わせる伴奏も、ギターだけで聴かせるソロもあり、曲種ごとの表情があります。
入口で覚えておきたいのは、ルンバも大切な入口の一つで、そこから先にいろいろな曲種があること。好きな曲に「本物認定」の判子をもらうために、難しい曲から始める必要はありません(笑)。
参考:Gipsy Kings 公式プロフィール。ここでは音楽的背景の説明を参照しています。
ルンバから別の曲種へ進むと、変わる三つのこと

1.拍のまとまりと、アクセントの位置
ルンバは、まず「1、2、3、4」と一定の流れを感じながら取り組みやすい曲種です。フラメンコには同じく4拍子系のタンゴスもありますし、ソレアやブレリアのように12拍のまとまりを学ぶ曲種もあります。
だから「フラメンコは全部12拍」「ルンバ以外は全部複雑」と考えなくて大丈夫。ただし、4拍子だからルンバとタンゴスを同じ右手で弾けばよい、という意味でもありません。アクセントや音の切り方、曲の感じを、その曲種の演奏で確かめます。
2.歌や踊りと、どこを合わせるか
好きな録音に合わせる練習では、その録音のテンポと構成が目印になります。生の歌や踊りの伴奏では、歌い始めや締め、次のパートへ移る合図を相手と共有します。
これは「ルンバには約束がない」という話ではありません。ルンバを歌と合わせるときにも、コードが変わる場所や曲の終わりをそろえます。相手の音を聴きながら自分の音を置く経験は、どちらでも役立ちます。
3.一曲の中で、ギターがする仕事
ジプシーキングスの演奏でも、コードでリズムを支えるギターと、旋律を弾くギターが聞こえます。踊り伴奏でも、ギターが前に出る部分と、歌や足音を支える部分があります。
フラメンコの短い旋律のまとまりを「ファルセータ」と呼びますが、ファルセータだけがギターソロというわけではありません。曲全体をソロで演奏する形もあります。最初は細かい分類より、「今、誰の音を聴かせているのかな」と聴き分けてみましょう。
最初の練習は、派手な右手を全部まねしない

動画を見ると、右手が速く動き、ギターを叩く音も混ざっています。最初からその動きを全部入れようとすると、左手のコードが間に合わず、どこで止まったのか分からなくなりがちです。
まずは、次の順番で小さく分けてみてください。
- ギターを置いて拍を聴く。好きな一曲で、一定の拍を小さく手で取ります。歌の言葉を追う回と、伴奏を聴く回を分けると違いが分かります。
- 一つのコードで一定に鳴らす。習ったコードを一つ使い、無理のない速さで一定のストロークを続けます。まずは音を止めず、拍が戻ってくる感覚を確かめます。
- 短いコード進行にする。曲の一部分だけを取り出し、コードが替わる場所を合わせます。何種類もの右手奏法を同時に増やさなくて大丈夫です。
ラスゲアードは、指で弦をかき鳴らしてリズムを作るフラメンコの奏法です。いろいろな指使いがあります。ゴルペというギター表面を叩く奏法も、同じ動きではありません。動画の速い手を眺めて当てずっぽうで叩くより、楽器に合う方法と手の動きを一つずつ教わりましょう。
録音と同じ速さに追いつくことを、初日の合格条件にしないでください。遅くても一周続いたら、立派な練習です。「この音を出したい」が、一つ具体的になれば十分です。
レッスンでは、好きな曲と「やりたい役割」を伝えよう

体験へ行くなら、「ジプシーキングスが好きです」に加えて、好きな曲を一つ挙げてみてください。「Bamboleoの伴奏」「Volareのメロディー」「Inspirationを一人で弾く」のように、目標の形が見えやすくなります。
同じ曲でも、歌を支えるコード伴奏と、メロディーまでギター一人で弾くアレンジでは、最初の練習が変わります。スマホで好きな演奏を見せて、「この部分の音を出したい」と伝えるのもいい方法です。
ギターを持っている方は、ナイロン弦かスチール弦か、これまでにどんな曲を弾いたかも伝えると話が早くなります。まだ持っていない方は、購入を決める前に体験で楽器の感触を確かめてみましょう。
好きな曲を何度も聴いた経験は、「また弾いてみよう」と思えるきっかけになります。ただ、好きだからすぐ弾ける、必ず早く上達する、と決まるものではありません。覚える速さより、次に試すことを一つに絞るほうが練習しやすくなります。
ルンバを楽しみ続けてもいいし、セビジャーナスやタンゴスに興味が移ってもいい。好きな音から始めて、聴こえる世界を少しずつ広げてみてください。
練習で止まったら、左右の手を分けてみる
コードを替えると拍が止まるときは、右手の動きとコード替えを別々に練習してみましょう。一つのコードのまま右手を続ける回と、右手を休めて二つのコードを行き来する回を分けます。両方を少しずつできるようにしてから、ゆっくり重ねます。
練習の終わりに短く録音すると、速さだけでなく、コードが替わる直前に止まっていないかも確かめられます。一曲を何度も通すだけで疲れる日には、同じ二つのコードを往復する数分の練習も役立ちます。
動画を見比べると、同じ曲でも指使いやコードの押さえ方が違うことがあります。違う教材の右手と左手を途中で混ぜる前に、まず一つの説明を短い範囲で試しましょう。どの方法が今の自分に合うかは、実際の音と動きを見てもらうと整理しやすくなります。
目標を書き残すなら「今日は速く弾く」より「コードが替わっても四つの拍を続ける」のように、できたか確かめられる言葉がおすすめです。翌日どこから再開するかも迷わずに済みます。
▼ 「ボラーレ」で伴奏を学ぶ動画
ぼくのフラメンコ伴奏講座です。知っている曲を、ギターで支える音として聴いてみてください。
フラメンコの全体像を、ゼロから知りたい方へ
歌の意味、リズム、メロディをやさしく学べる「はじめてのフラメンコ入門メール講座」です。登録すると「はじめてのフラメンコ入門ガイドブック」も受け取れます。
メールアドレスだけで登録できます。

























