こんにちは!
フラメンコギター池川です。
「練習時間が取れないので、今週もほとんど弾けませんでした」
忙しい大人のレッスンでは、とても正直で大切な一言です。仕事、家事、移動、家族の予定。毎日30分を確保しようとすると、ギターが急に重たい宿題になります。
そんなときは、30分を目指す前に5分を設計します。短い練習でも、内容を一つに絞れば手と耳はちゃんと変わります。
ポイントは、5分間ずっと曲を通さないこと。準備、一点練習、記録の3段階に分けます。
1.最初の1分は、音を出す前の準備に使う

椅子に座ったら、肩を一度上げてストンと落とします。右手を軽く振り、左手の指をゆっくり開閉します。いきなり難しいコードを押さえないことが、短時間練習では特に大切です。
次に、開放弦を一本ずつ鳴らします。良い音を出そうと力むのではなく、今日の手の状態を確かめるだけで十分です。
この1分を飛ばすと、残り4分を固い手のまま使うことになります。準備は遠回りではなく、最短ルートです。
2.中央の3分は、できない一か所だけ

曲の最初から最後まで弾くと、弾ける部分に時間を使い、苦手な部分は毎回同じように通り過ぎます。3分だけなら、二つのコードの移動、右手の一往復、1コンパスだけに絞ります。
ゆっくり3回。少し速く3回。最後に元のテンポで1回。失敗したら回数を増やすのではなく、さらに小さく分けます。
ぼくはこれを『三畳一間練習』と呼んでいます(笑)。広い曲の中で暮らそうとせず、今日は小さな一部屋だけ整えるイメージです。
3.最後の1分は、明日の自分へメモを残す

練習の最後にスマートフォンで10秒だけ録音するか、『コード移動はできた。右手が急ぐ』と一行だけ書きます。記録があると、翌日に最初から悩まずに済みます。
うまくいかなかった日ほど、記録には価値があります。減点表ではなく、明日の開始位置を残す地図だからです。
5分で終わっても大丈夫。もう少し弾きたい日は続けてもよいですが、毎日の合格ラインは5分のままにします。小さな成功が、ギターへ戻る心理的な距離を短くします。
長く弾いた日だけが練習ではありません。明日も座れる大きさで終えること。それが、忙しい人の上達を止めないいちばん現実的な方法です。





















