こんにちは!
フラメンコギター池川です。
体験レッスンで、いちばんよく聞く言葉があります。
「あの……ドレミが読めないんですが……」
申し訳なさそうに、小さな声で。
まるで面接で弱点を告白するみたいに言う方もいます(笑)
でも、安心してください。
結論から言うと、フラメンコギターに楽譜はいりません。
これは慰めでもセールストークでもなくて、フラメンコという音楽の成り立ちからくる「本当の話」です。
今日はその理由を、10年教えてきたぼくの実感と一緒にお話しします。
この記事の目次
フラメンコは「口伝」の音楽——そもそも楽譜が存在しなかった

フラメンコは、スペイン南部のアンダルシアで生まれた音楽です。
おじいちゃんが弾くのを見て、子どもが真似する。
家族の集まりで、宴会で、歌と手拍子とギターがぐるぐる回っていく。
そうやって目と耳で受け継がれてきた「口伝の音楽」なんです。
だから本場のギタリストには、楽譜がスラスラ読めない人がふつうにいます。
というより、「楽譜を見ながら弾くフラメンコギタリスト」を、ぼくは現場でほとんど見たことがありません。
クラシックのように「楽譜が正解」の世界ではなく、「目の前の歌と踊りが正解」の世界。
楽譜が読めないことはハンデどころか、スタートラインとしてはむしろ本場と同じ条件なんです。
楽譜より大事なのは「型」——セビジャーナスで説明します

「じゃあ楽譜なしで、何を頼りに弾くの?」
答えは「型」です。
フラメンコには曲種ごとに決まったリズムの型(コンパスと呼びます)があって、これさえ体に入れば、曲の骨組みが見えてきます。
たとえば、最初に習うことが多いセビジャーナスという曲。
「ジャン、ジャジャジャン」という決まった型の繰り返しでできています。
ぼくのレッスンでは、まずこの型を手の動きとかけ声で覚えてもらいます。
「タン・タタ・タン」と口で言いながら、右手を振る。
楽譜とにらめっこするかわりに、盆踊りを覚えるのに近い感覚です。
そして面白いことに、型で覚えた曲は忘れにくい。
楽譜で覚えた曲は、楽譜を閉じたとたんに弾けなくなったりしますが、体で覚えた型は自転車と同じで、一度入ると抜けないんです。
ドレミが読めないまま弾けるようになった生徒さんの話

ぼくの教室に、60代の会社員の男性がいます。
楽器経験ゼロ。学生時代の音楽の成績は「2」だったそうです(ご本人談)。
体験レッスンの日、開口一番が「ドレミ、読めないんですけど大丈夫ですか?」でした。
その方が今、どうなっているか。
1年後にはセビジャーナスを最後まで弾けるようになって、教室の練習会で踊り手さんの伴奏デビューを果たしました。
ご本人いわく「楽譜を読もうとしなかったのが、逆によかったのかも」。
そうなんです。
楽譜が読める人ほど「紙」を見てしまって、肝心の「音」と「リズム」を聞き逃すことがある。
ドレミが読めない人は、最初から耳に全集中するので、フラメンコとの相性がむしろいいんです。
ぼくはこれを勝手に「楽譜レス・アドバンテージ」と呼んでいます(笑)
まとめ——「読めない」は、始めない理由になりません
フラメンコは口伝の音楽。
頼るのは楽譜ではなく「型」。
そして、ドレミが読めない人こそ、耳と体で覚えるフラメンコ式の学び方にハマりやすい。
「楽譜が読めないから」とギターをあきらめてきた方にこそ、体験レッスンで「もう弾けた!」の瞬間を味わってほしいです。
ぼくと一緒に、楽譜のいらない音楽の世界へどうぞ。
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