こんにちは!
フラメンコギター池川です。
「今週こそ弾こう」と思っていたのに、気がついたらもう週末。
時間ができたら練習しよう。……が、その時間がなかなか来ない。
ギターが嫌いになったわけではないんですよね。むしろ、ちゃんと練習したいからこそ、まとまった時間を待ってしまう。
お仕事や家のことで忙しい大人の生徒さんから、いちばんよく聞くお悩みのひとつです。
今日は、忙しい日にも残せる「練習の入口」をひとつ作ります。そして、何日か空いてしまったあとの「戻り方」まで、先に決めておきましょう。
1.「時間ができたら」を待つほど、ギターは遠くなる
「今日はギターを練習する」
これだけだと、いざ始める直前に、まだ決めることがたくさん残っています。
・何の曲を弾くか
・どこを直すのか
・どの動画を見るのか
それを考えているうちに、気づくと練習方法を調べている。調べているうちに、せっかくの時間があっという間に終わってしまう。こういうこと、ありませんか?
忙しい方の練習が止まる理由は、時間が足りないことだけではありません。ギターを持つ前に「決めること」が多すぎるのも大きいんです。
10分しかない日に、曲選びと調べものに7分使ったら、残りは3分。これでは「やっぱり今日は無理だったな」で終わってしまいます。
だから、始める直前に決めることを、前の日のうちに減らしておきます。
2.練習の終わりに「次の一手」を1行だけ残す
やり方はシンプルです。練習を終えるときに、次にやることを1行で書いておく。これだけです。
たとえば、こんな書き方です。
・「この2小節を1回弾く」
・「最初のコードを確認する」
・「昨日の録音を1回聴く」
ポイントは、次の自分が読んだときに何をすればいいか、そのままわかる言葉にすること。
反対に、こんな書き方だと、次の日にまた迷ってしまいます。
・「ソレアを練習」(曲のどこから?)
・「リズムを直す」(どこの、何を?)
・「がんばる」(気持ちはわかります!)
曲名だけ、目標だけのメモは、始める前にもう一度考え直すことになります。「どの小節を」「何回」「何をする」まで書いておくと、ギターを持った瞬間に始められます。
書く場所は、スマホのメモでも、ギターケースに入れた付箋でも、楽譜の余白でもかまいません。次にギターを持つとき、必ず目に入る場所を選んでください。
短い練習が、長い練習と同じ効果だと言いたいわけではありません。忙しい日こそ、「どこから再開するか」を先に決めておく、ということです。
3.忙しい日の入口を3つ用意しておく
毎日ギターを持てるとは限りませんよね。そこで、忙しさに合わせて入口を3つ用意しておきます。
① ギターを持てる日は、短いフレーズを1回。時間があれば、その後を続ける
② 音を出せない日は、自分の録音を1回聴いて、気になる場所に目印をつける
③ 楽器も録音も開けないほど忙しい日は、次に弾く場所だけを1行メモする
この3つを全部やる必要はありません。その日にできる入口を、1つ選ぶだけです。
書くことや聴くことが、演奏そのものの代わりになるわけではありません。でも、次に弾くときの迷いを減らす準備にはなります。
ぼく自身も、忙しくてギターが弾けない日があります。そういうときは、本番や録音、レッスンの準備など、目の前の課題を先に決めておきます。そのうえで、今日は30分取れるのか、10分なのか。「10分だけなら、この1小節、2小節だけなんとかやってみよう」というふうに、短く細かく、でも何かしらの成果は残せるように取り組んでいます。
10分で曲全体を仕上げるのは無理でも、2小節なら「さっきより指が迷わなくなった」くらいの変化は残せます。その小さな変化が、次の日の入口になります。
4.練習の時間は「すでにある行動のあと」に置く
「毎朝6時に弾く」と決めるのが合う方もいるでしょう。でも、毎日の予定がバラバラな方もいますよね。
そんなときは、時刻で決めるかわりに、毎日すでにやっている行動のあとを1つ選んでみます。
・帰宅して、着替えたあと
・夕ごはんのあと、お茶を1杯飲んだあと
・お風呂に入る前
この予定が自分に合っているかどうかは、実際にやってみて確かめます。
もし、できない日が続いたら、「自分は意志が弱い」と決めつける前に、置き場所を変えてみてください。
・夜は疲れてしまうなら、朝や昼休みなど別の時間にする
・楽器を出せない生活リズムなら、「録音を聴く」を入口にする
うまくいかないのは、あなたのせいではなく、置いた場所が合っていなかっただけかもしれません。
ギターをすぐ手に取れる場所に置くのも一つの方法です。ただし、倒れやすい場所や、エアコンの風が直接当たる場所、窓際など湿度や温度の変化が大きい場所は避けましょう。出しっぱなしが誰にとっても正解、というわけではありません。ご自宅の環境に合わせて、ケースから出しやすい置き方を探してみてください。
5.空いてしまった日は「取り返さず」、最後の一手から戻る
続けることについて、ぼくが大事だと思うのは、続いた日数の数だけではなく、空いたあとにどう戻るかです。
「1週間空いたから、今日は1週間分やろう」
こう考えると、再開そのものが大仕事になります。大仕事になると、また「まとまった時間ができたら」に戻ってしまう。これが、いちばんもったいないパターンです。
戻る日は、最後に残した短い一手から始めます。
1回弾いて、今日の状態を確かめる。そこから、続けるかどうかを決めます。指がよく動けば続ければいいし、今日はここまでと思えば、また次の一手を1行書いて終わればいい。
カレンダーに空白ができても、音楽の入口まで閉じる必要はありません。
何年も空いてしまってからの再開については、「10年ぶりにギターを出したら、昔の曲が弾けない…」の記事で、今日の最初と最後を録音で比べる方法を書いています。あわせてどうぞ。
まとめ:時間を待つ前に、入口を小さくしておく
忙しくてギターが弾けないのは、ギターへの気持ちが弱いからではありません。まとまった時間を待つあいだに、始める前の「決めること」が積み上がってしまうからです。
今日からやることは、この3つだけです。
① 練習の終わりに、次の一手を「どの小節を・何回・何をする」まで1行で書く
② 忙しさに合わせて、弾く・聴く・書くの入口から1つ選ぶ
③ 空いた日は取り返そうとせず、最後の一手を1回弾くところから戻る
みなさんは、忙しい日にギターとどう付き合っていますか?「自分もなかなか弾けていないんだよな」という方も、よかったら動画のコメントで教えてください。どうやったら再開できそうか、一緒に考えていきましょう。
▼ 動画でも話しています
練習時間を待つ前に残しておきたい「次の一手」と、空いたあとの戻り方を、動画でもお話ししています。文章とあわせてどうぞ。
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