この記事の目次
フラメンコギターの選び方
買ってはいけないギターと
失敗しない最初の1本
こんにちは!フラメンコギター池川です。
今日は、初心者の方から本当によく相談される「フラメンコギターの選び方・買い方」について、ぼくの経験を交えてお話しします。
- クラシックギターと何が違うのか
- 白/黒、どちらを選べばいいのか
- 最初の1本にいくら出せばいいのか
- ネット・中古で買うときに何を見ればいいのか
- 伴奏を目指す人は、どんなギターを選ぶべきか
ぼくがギターを初めて手にしたのは6歳のとき。
親に買ってもらった子供用のギターでした。メーカーも覚えていません。ただ与えられたものを、何も考えずに弾いていました。
あれから30年以上。気づけば何本ものギターと出会い、別れ、今の相棒にたどり着きました。
だからこそ言えることがあります。
ギター選びは、最初の1本で人生が変わります。
大げさに聞こえるかもしれません。でも、弾きにくいギターを選ぶと練習が苦痛になります。逆に、思わず手に取りたくなるギターに出会うと、毎日の生活に音楽が入ってきます。
そしてフラメンコギターの場合、もう一つ大事な視点があります。
そのギターで、あなたは何をしたいのか。
この記事では、フラメンコギター歴25年以上のぼくが、初心者の方が「買ってから後悔しないための選び方」をお伝えします。
フラメンコギターとは?クラシックギターとの違い
まず最初に、多くの方が疑問に思うこと。
「フラメンコギターとクラシックギター、何が違うの?」
ぼくも11歳のとき、父親に連れられてギター工房で買ってもらったのは、実はクラシックギターでした。今思い返すと、ゴルペ板(ギターの表面を叩いても傷がつかないように貼る保護板)を貼っただけのクラシックギターだったんです。
見た目はほとんど同じ。でも、弾いてみると全然違います。
| 比較項目 | フラメンコギター | クラシックギター |
|---|---|---|
| ボディの厚み | 薄い | やや厚い |
| 弦高 | 低い。速い反応が出しやすい | やや高め。豊かな響きを作りやすい |
| 音の特徴 | 歯切れが良い。パーカッシブ | 深く、余韻が豊か |
| 奏法 | ラスゲアード、ゴルペ、リズム伴奏 | アルペジオ、メロディ、独奏 |
| ゴルペ板 | あり。ほぼ必須 | 通常なし |
| 主な用途 | 踊り・歌の伴奏、フラメンコ演奏 | クラシック独奏、旋律表現 |
フラメンコギターは「打楽器としても使うギター」です。表面板を叩いたり、弦をかき鳴らしたり。だからボディが薄くて弦高が低い。
クラシックギターでフラメンコを弾けないことはありません。けれど、フラメンコ特有の歯切れやスピード感、ラスゲアードの気持ちよさを味わうなら、やはりフラメンコギターが一番合います。
最初に決めるべきは「ソロ用」か「伴奏用」か
フラメンコギター選びで最初に考えたいのは、メーカーでも価格でもありません。
まずは「そのギターで何をしたいのか」です。
ひとりで美しく弾きたいのか。踊りや歌を支えたいのか。仲間と一緒にフラメンコを楽しみたいのか。
週末伴奏ギタリストを目指すなら
もしあなたが、
- いつか踊り手さんの後ろで弾いてみたい
- 発表会や小さなライブで伴奏してみたい
- ギターを、誰かに喜ばれる力にしたい
- ひとりで弾くだけではなく、音楽仲間とつながりたい
そう思うなら、最初から「伴奏しやすいギター」という視点で選ぶのがおすすめです。
見るべきポイントは3つ。
- 弦高が低く、押さえやすい
- 音の立ち上がりが速い
- ゴルペ板がある、または後付けできる
高級ギターである必要はありません。まずは「弾きやすくて、続けたくなる1本」を選ぶことが大切です。
フラメンコギターの種類:「白」と「黒」の違い
フラメンコギターには大きく分けて2種類あります。
白(ブランカ)— 伴奏向き
側面と裏板にシープレス(糸杉)という明るい色の木材を使ったギター。歯切れの良いパーカッシブな音が特徴で、歌や踊りの伴奏に最適です。フラメンコギターの王道はこちら。
黒(ネグラ)— 独奏向き
側面と裏板にローズウッドという濃い色の木材を使ったギター。音に深みと持続性があり、メロディを弾くソロ演奏に向いています。
初心者はどちらを選ぶべき?
生徒さんからもよく聞かれます。「白と黒、どっちがいいですか?」
ぼくの答えはこうです。
- 踊りや歌の伴奏をやりたい → 白(ブランカ)
- ソロギターで弾きたい → 黒(ネグラ)
- 迷っている → 白(ブランカ)
迷ったら白をおすすめします。フラメンコの醍醐味はやっぱり「みんなで一緒に演奏すること」ですから。
ただ、正直に言うとどちらでもいいんです。白ギターでソロを弾くこともできるし、黒ギターで伴奏することもできる。大事なのは「弾きたい!」と思えるかどうかです。
買う前に、まず一度フラメンコギターを弾いてみませんか?
VIVAフラメンコ音楽教室では、貸出ギターをご用意しています。
まだギターを持っていない方も、手ぶらで体験できます。
「このギターを買って大丈夫?」という相談も歓迎です。
【予算別】おすすめフラメンコギター 2026年版
生徒さんに一番聞かれる質問がこれです。
「いくらのギターを買ったらいいですか?」
ぼくの答えはいつも同じ。できれば10万円台。
その理由は2つあります。
- ギターのクオリティがしっかりしている。音の鳴り、弾きやすさが段違い
- 「せっかく10万円出したんだから」という覚悟が、練習を続けるモチベーションになる
とはいえ、まずは気軽に始めたいという方もいらっしゃいます。予算別に、2026年現在おすすめのモデルを紹介しますね。
4〜6万円台:まず始めてみたい方に
| メーカー | 機種名 | 価格(税込目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Aria | A-50F | 約35,000〜45,000円 | 日本ブランド。品質安定。ゴルペ板付き。入門の定番 |
| Cordoba | F7 Flamenco | 約45,000〜55,000円 | 弦高が低くラスゲアードしやすい。コスパ◎ |
| YAMAHA | CG182SF | 約50,000〜60,000円 | YAMAHA品質。音程の安定感が抜群。ゴルペ板付き |
この価格帯ならAria A-50Fがコストパフォーマンスで頭ひとつ抜けています。「最初の1本」として間違いのない選択です。
8〜15万円台:長く使いたい方に(おすすめ!)
| メーカー | 機種名 | 価格(税込目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Aria | ACE-8F | 約80,000〜100,000円 | 総単板(オールソリッド)。鳴りが良く中級まで使える |
| Antonio Sanchez | 1025 | 約100,000〜130,000円 | スペイン製ハンドメイド。本場の乾いた音色 |
| Cordoba | 55FCE | 約100,000〜140,000円 | 総単板。エレクトリック対応でライブにも◎ |
ぼくが個人的に推したいのはこの価格帯です。総単板のモデルが選べるようになり、弾き込むほどに音が育っていきます。
Antonio Sanchezはスペイン製の手工品がこの価格で手に入る貴重な選択肢。「いつかスペインのギターが欲しい」と思っている方には、最初の1本としても素晴らしいです。
20〜50万円台:こだわりたい方に
| メーカー | 機種名 | 価格(税込目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Manuel Fernandez | MF-50S / MF-70 | 約200,000〜300,000円 | スペイン製。ラスゲアードの切れ味が抜群 |
| Juan Hernandez | Estudio Flamenco | 約250,000〜400,000円 | スペインの名工房。音量豊かでバランス◎ |
| Felipe Conde | CE2 / CE3 | 約350,000〜500,000円 | パコ・デ・ルシアも愛用したCondeの系譜。フラメンコギターの王道 |
上を見ればキリがありません。ぼくが今使っているレスター・デヴォーは180万円しました。分割で買いました(笑)。
でも正直、20〜30万円台でもプロの現場で十分通用するギターが手に入ります。もし予算が許すなら、一度手に取ってみてほしいです。
フラメンコギターはどこで買える?
実店舗で買う(おすすめ)
フラメンコギターはクラシックギター専門店で扱っていることが多いです。一般的な楽器店だと置いていないこともあります。
おすすめのお店はこちら。
- アウラ(東京・御茶ノ水)— クラシック・フラメンコギター専門店。品揃え豊富、試奏OK
- クロサワ楽器(東京・御茶ノ水)— クラシック館でフラメンコギターも取り扱い
- メディアカーム(オンライン)— スペイン直輸入ギターに強い
できれば実際に手に取って弾いてみるのが一番です。「ネットで写真を見て買ったけど、イメージと違った」という話は本当によくあります。
ネット通販で買う
近くに専門店がない方は、ネット通販も選択肢になります。
- サウンドハウス — 入門〜中級モデルが安い。送料無料
- Amazon / 楽天 — 入門モデル中心。ポイント還元あり
ネットで買う場合の注意点は1つ。「フラメンコギター」と書いてあるものを選ぶこと。当たり前のように聞こえますが、これが意外と大事なんです。
ネット購入前チェックリスト
購入ボタンを押す前に、最低限ここだけは確認してください。
- 商品名に「Flamenco」または「フラメンコ」と書かれているか
- ナイロン弦のギターか(鉄弦のアコースティックギターではないか)
- ゴルペ板が付いているか、または後付けできるか
- 弦高が高すぎないか
- 返品・交換が可能か
- レビューで「弾きやすい」と書かれているか
- 10万円以上なら、できれば先生や経験者に確認したか
中古という選択肢
「とにかく安く始めたい」という方には、中古も選択肢の一つ。ただし、フラメンコギターの中古は流通が少ないです。
クラシックギターの中古にゴルペ板を貼るという方法もありますが、ネックの状態や弦高によっては弾きにくい場合もあります。中古は当たり外れが大きいので、できれば購入前に経験者に見てもらいましょう。
初心者が買ってはいけないギター3選
1. 鉄弦のアコースティックギター
いわゆるフォークギターです。見た目は似ていますが、フラメンコギターとは別物です。ラスゲアードをすると指が痛くなりやすく、フラメンコ奏法にはかなり厳しいです。
2. 弦高が高すぎるギター
弦高が高いと、押さえるだけで疲れます。初心者にとっては「練習がつらいギター」になりやすいので要注意です。
3. 状態の悪い中古ギター
ネックの反り、割れ、ブリッジ浮き、フレットの減りなどがあると、修理費の方が高くつくこともあります。安いからといって飛びつくのは危険です。
【実話】ぼくの生徒さんがやらかした失敗談
ここで、ぼくの生徒さんの実話をひとつ。
その生徒さんは「とにかく安くギターを手に入れたい!」ということで、ハードオフに行ったんです。
店員さんに「ギターが欲しいんですけど」と相談して、勧められるままに購入。
意気揚々とレッスンに持ってきたそのギターを見て、ぼくは一瞬で気づきました。
それ、アコースティックギターです。
アコースティックギターは鉄弦。フラメンコギターはナイロン弦。まったくの別物です。
鉄弦でラスゲアードをやったら、指がめちゃくちゃ痛い。フラメンコ奏法にはかなり厳しい。
幸い、事情を話したら返品交換してもらえたそうです。ホッとしました。
笑い話のようですが、ギターに詳しくない人から見ると、アコギもクラシックギターもフラメンコギターも「同じギター」に見えるんです。だからこそ、買う前に少しだけ知識を持っておくことが大事なんですね。
試奏するときのチェックポイント5つ
お店でギターを試奏するときに、確認してほしいポイントが5つあります。
- サイズ感 — 構えたときにしっくり来るか。体の大きさに合っているか
- ネックの握りやすさ — フレットの幅、ネックの太さが手に馴染むか
- 弦高 — 弦が高すぎると押さえにくい。フラメンコギターは低めが◎
- 音の鳴り — 1音弾いてみて「気持ちいい」と感じるか
- ゴルペ板の有無 — フラメンコギターには必須。なければ後付けも可能
正直なことを言うと、初心者の方にとって「音の違い」を聞き分けるのは難しいです。
だから、ぼくがいつも生徒さんに言うのは「直感を大事にしてください」ということ。
お店の店長さんに相談して、何本か弾き比べて、「これだ!」と思ったものを選ぶ。それでいいんです。
ぼくがギター選びで大事にしていること
ぼくは自分でギターを選ぶとき、いつも大久保にあるプリメラギターさんに相談してきました。
20代の頃、今はなき伊藤日出夫先生との出会いをきっかけに、チコさんの紹介で買ったのがコンデ・エルマノス。40〜50万円くらいだったと思います。しばらくはそのギターでプロ活動をしていました。
転機が訪れたのは30歳のとき。東日本大震災をきっかけに、フラメンコギターの教科書を出版することになったんです。DVD撮影もあって、長年使い込んだコンデ・エルマノスは傷だらけのボロボロ。カメラに映すにはちょっと恥ずかしい…。
再びチコさんに相談して購入したのが、今も使っているレスター・デヴォーというギターです。パコ・デ・ルシアやビセンテ・アミーゴなどのトップギタリストも愛用した、アメリカ人制作家のもの。
これがかなり高くて、150万円くらいしました。分割で買いました(笑)。
でもね、ぼくは毎回「店長が勧めてくれたものを何本か弾き比べて、これだ!と思ったものを買う」というスタイルです。それぞれのギターとの出会いも運命だと思っています。
以前聞いた話で面白かったのが、こんな言葉。
「ギターは恋人選びと一緒。『もうこの人しかいない!一生ついていく!』と思っても、2〜3年で飽きる」
…うなずけるような、うなずいてはいけないような(笑)。
だからこそ、あまり考えすぎず、直感を大事にしてほしい。隣の芝生は青く見えるものだし、「もっといいギターがあったんじゃないか」と思うことがあっても、それは単に自分の練習不足だったりします(笑)。
あなたが「これだ!」と思ったギターが、あなたにとっての最高の1本です。
よくある質問(FAQ)
Q. アコースティックギターではダメですか?
フラメンコ奏法を弾くのはかなり厳しいです。鉄弦のアコギでラスゲアードをすると指がとても痛くなります。ナイロン弦のフラメンコギター、もしくはクラシックギターを選んでください。
Q. クラシックギターでフラメンコは弾けますか?
弾けます。ぼくも11歳のときはクラシックギターにゴルペ板を貼って弾いていました。ただ、フラメンコ特有の歯切れの良い音を出すには、やはりフラメンコギターがベストです。予算が許せばフラメンコギターを選ぶことをおすすめします。
Q. ネット通販で買っても大丈夫ですか?
入門モデル(Aria A-50FやYAMAHA CG182SFなど)であれば、ネット通販でも問題ありません。ただし10万円以上のギターは、できれば実店舗で試奏してから購入することをおすすめします。
Q. 最初の1本の予算はいくらがいいですか?
理想は10万円台。「ちょっと高い」と感じるかもしれませんが、ギターのクオリティが段違いですし、「せっかく買ったんだから頑張ろう」というモチベーションにもなります。まずは3〜5万円台で始めるのも全然アリです。
Q. メルカリやヤフオクで買ってもいいですか?
買ってもいいですが、初心者には少し難しいです。写真だけではネックの反りや弦高、割れ、修理歴がわからないことがあります。購入前に商品ページを先生や経験者に見てもらうのがおすすめです。
Q. ギターのメンテナンスは必要ですか?
弦の交換(1〜2ヶ月に1回)と、弾き終わった後にクロスで拭くくらいで十分です。難しいメンテナンスは必要ありません。
買う前に、まず一度弾いてみませんか?
ここまで読んでくださってありがとうございます。
「ギターのことはわかったけど、やっぱり実際に弾いてみないとわからない」——そう思った方、正解です。
フラメンコギターは、写真やスペックだけではわかりません。弦高の低さ、ラスゲアードの気持ちよさ、ゴルペの響き。これは実際に触ってみるのが一番です。
買う前に相談できます
VIVAフラメンコ音楽教室では、無料体験レッスンを開催しています。貸出ギターがあるので、手ぶらでOK。
「買うならどれがいいか」も、あなたの目的や予算に合わせて相談できます。
まだギターを持っていない方こそ、大歓迎です。
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この記事のまとめ
- フラメンコギターは、クラシックギターより弦高が低く、歯切れの良い音が出しやすい
- 伴奏を目指すなら、まずは白(ブランカ)がおすすめ
- 最初の1本は、できれば10万円台。ただし3〜5万円台からでも始められる
- 鉄弦のアコースティックギターは買わないこと
- ネットや中古で買う場合は、ゴルペ板・弦高・返品可否を必ず確認
- 迷ったら、買う前に一度弾いて相談するのが一番安全
※価格は目安です。販売価格や在庫状況は時期・店舗によって変わります。購入前に必ず最新情報をご確認ください。





















