踊りの伴奏でパニックになる…|ほかの音に「引っぱられない」ための分解練習と本番の想定

こんにちは!

フラメンコギター池川です。

目の前には踊り手さん。横には歌い手さんとパルマ。ほかのギタリストもいる。

ひとりで弾いているときはちゃんと弾けるのに、たくさんの音が一度に鳴る場になると、ふっと自分を見失ってしまう。

ギターの生徒さんギターの生徒さん
ほかのギターがちょっと違う音を弾くと、引っぱられて、自分がどこを弾いているのか分からなくなるんです…
池川池川
それ、伴奏を始めた人がよく通る道です。原因を分けて考えると、練習のしかたが見えてきますよ。

今日は、発表会のあとの振り返りレッスンで話したことをもとに、伴奏の場で引っぱられないための練習の順番と、本番を想定した準備、そして気持ちの置き場所についてお話しします。

▼ 動画でも話しています

振り返りレッスンの中で、どう練習していけばいいかを一緒に考えています。再生しながら読んでも、先に見てからでも大丈夫です。記事はこの下に続きます。

伴奏の場は「同時にたくさん」が起きている

図解:伴奏の場は「同時にたくさん」

まず、自分を責めなくて大丈夫です。踊りの伴奏の場では、ひとりで弾くときには起きないことが、同時にたくさん起きています。

  • 踊り手さんの動きと合図を見る
  • 歌い手さんの歌を聴いて、歌の伴奏をする
  • パルマのリズムを感じる
  • ほかのギターと音を合わせる

しかも、会場や人が変わると、いつもと違う音、違う距離感になります。環境が変わると揺れやすいのは、多くの人に共通することです。

耳がいい人ほど、ほかの人のちょっとした違いが気になって、思いきり弾けなくなることもあります。それは弱点というより、ギターの音が好きだからこその感覚です。

要素を分解して、1つずつ練習する

図解:要素を分解して練習する

ぼくがギターのテクニックでも、伴奏の練習でも心がけているのは、要素を分解することです。

8コンパスのファルセータが弾けないときは、最初の1コンパスだけ、もっと言えば最初の1拍だけ、と分解しますよね。伴奏も同じです。

踊りの伴奏の場には、少なくとも3つの要素が入っています。

  1. 踊りの伴奏
  2. 歌の伴奏
  3. ギター同士のアンサンブル

ほかのギターに引っぱられてしまうと、本来いちばんエネルギーをかけたい「踊り」と「歌」に、ほとんど力が残らなくなります。気がついたら自分の番が弾けなかった、ということも起きます。

ここがポイント
全部を一度に合わせる前に、「どの要素で揺れているのか」を見つける。ギター同士で揺れるなら、まずはそこだけを練習します。

本番を想定して練習する

図解:本番を想定した練習

まずはギターだけで合わせる

踊り手さんに来てもらうのは、場所と日程の調整が大変です。でも、ギター2人だけなら、カラオケボックスでも練習できます。相手が何を弾いても振り回されない経験を、少しずつ積み重ねていきます。

少人数で合わせる

ギターと歌の2人だけ、ギター2人だけ、という少人数の練習もおすすめです。大人数の練習会とは違って、相手の音がはっきり聞こえるので、「聞きながら、引っぱられない」練習になります。

本番の向きと服装で通す

練習では緊張しないのに、本番では緊張する。その差を埋めるのが、本番を想定した練習です。向かい合って弾くだけでなく、客席がこちらにあるつもりで同じ向きに並んでみる。

ぼく自身、大きな本番の前には、家で本番の衣装と靴を身につけて、マイクも立てて通すことがあります。それだけで、気持ちがぐっと引き締まります。

気持ちの置き場所

図解:気持ちの置き場所

最後に、ぼくが伴奏のときに大事にしていることをお話しします。

ぼくも若いころは、ずれた音やリズムが気になって、周りに強く言いすぎてしまったことがありました。その経験もあって、いまは考え方が変わりました。

いまのぼくは、曲を始めたら、なんとか最後まで終わらせるのが自分の仕事だと思っています。踊りが間違えても、ギターが思わぬことをしても、そこから盛り上げる。見てくださるお客さんや、一緒にやっている人が楽しめる方へ、気持ちを振り切っています。

ギターの生徒さんギターの生徒さん
自分の弾いている世界に、人が入ってくる…という感覚だったかもしれません。

いろいろな職業、年齢、地域の人が、フラメンコでつながって、一緒に1曲を作る。それ自体がすごい巡り合わせです。一緒にやってくれていることへの感謝を土台に置くと、相手の音に振り回されるのではなく、「じゃあ、こちらが土台になろう」と思えるようになります。

次の練習でやること

  • □ どの要素(踊り・歌・ギター同士)で揺れるかを書き出した
  • □ ギター2人だけで、1曲通して合わせた
  • □ 本番と同じ向き・同じ服装で一度通した
  • □ 「最後まで終わらせる」を合言葉にした

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