新しい曲種を覚えるのがしんどい…|バンベーラで分かる「いままでの貯金」の使い方【伴奏ギタリストへの道】

こんにちは!

フラメンコギター池川です。

ソレアを覚えて、アレグリアスを覚えて、やっと少し弾けるようになってきた。

そんなときに「次はバンベーラをやる人がいるらしいよ」と聞くと、正直ちょっと気が重くなりますよね。

ギターの生徒さんギターの生徒さん
また1から覚えるんですか…? 人生何回やり直しても、覚えきれない気がします。
池川池川
安心してください。これまで覚えてきたものが、ちゃんと使えますよ。

今日は、ぼくが主宰している「週末フラメンコギタリスト養成塾」で、生徒さんと話した内容をもとに、新しい曲種を覚えるときの「気持ちの軽くし方」と「本当に覚える所」をお話しします。例に出すのはバンベーラです。

▼ 動画でも話しています

生徒さんとの実際のやりとりを、ギターを弾きながらお話ししています。再生しながら読んでも、先に見てからでも大丈夫です。記事はこの下に続きます。

新しい曲種は「ゼロから」ではありません

図解:新しい曲種は「ゼロから」じゃない

いちばん最初にセビジャーナスを覚えたときのことを、思い出してみてください。

きっと右も左も分からなかったはずです。リズムも、コードの押さえ方も、全部が新しかった。

次にガロティンを覚えたときも、「リズムはどうだっけ?」「このコード、どう押さえるの?」と、かなり苦労したと思います。

でも、そのあとにタンゴス・デ・マラガをやったとき、どうでしたか。

ギターの生徒さんギターの生徒さん
あれ? 右手のリズム、ガロティンと意外に一緒だ…

そうなんです。前に覚えたものが、次の曲でどんどん使えるようになっていくんです。

最初の何曲かが大変なのは、まだ「貯金」が少ないから。曲が増えるほど、新しく覚えることは減っていきます。

曲を重ねるほど楽になる理由

図解:曲を重ねるほど楽になる理由

楽になっていく理由は、大きく分けて3つあります。

右手のリズムが使い回せる

同じ拍子の仲間の曲なら、右手の形はかなり共通しています。ガロティン、ティエント、タンゴス・デ・マラガ、タラントあたりは、基本の動きを応用して弾けます。

コードの流れが使い回せる

新しい曲で一瞬、見たことのないコードが出てくることはあります。でも、ほかの曲で使ってきたコードの流れが、そのまま出てくることも多いんです。

指の運びが使い回せる

もちろん、曲ごとの雰囲気はあります。ティエントは少し重めに、ガロティンは少し軽めに、という違いはある。

でも、基本的な指の運びはそのまま応用できます。変えるのは「弾き方の重さ・軽さ」で、指の動き自体を覚え直すわけではありません。

ここがポイント
新しい曲種に出会ったら、まず「どの曲と似ているか」を探してみてください。似ている曲が見つかれば、半分以上はもう弾けています。

バンベーラは「いままでの組み合わせ」

図解:バンベーラ=いままでの組み合わせ

では、バンベーラはどうでしょう。

ぼくの感覚では、バンベーラはこれまで覚えてきた曲の組み合わせです。

  • 使うコードは、ソレアと同じ
  • 右手のリズムは、アレグリアスやソレア・ポル・ブレリアと同じでOK
  • エスコビージャも、ソレアと同じ
  • 最後はブレリアのリズムにして終わる

こう並べてみると、ずいぶん敷居が下がりませんか。

ギターの生徒さんギターの生徒さん
なりました。行けそうな気がしてきました!

ファルセータも、バンベーラだけの決まった伝統のメロディがあるわけではないと、ぼくは考えています。シンプルな循環のフレーズでもいいし、前に覚えたものを組み合わせてもいい。盛り上がる所で、アルサプーアを入れてみるのも楽しいです。

新しく覚えるのは「ここだけ」

図解:新しく覚えるのは「ここだけ」

もちろん、何も覚えなくていいわけではありません。バンベーラならではの所が、いくつかあります。

歌ぶりのコードの流れ

歌に合わせるときのコードの流れは、バンベーラ独自のものがあります。ここは覚えます。

ただ、思い出してください。ソレアも、最初は「いつコードが変わるの?」と分からなかったはず。いまはソレアの歌ぶりと言われたら、すぐ浮かびますよね。バンベーラの歌ぶりも、決まった流れがあって、例外はあまりないとぼくは考えています。一度覚えてしまえば大丈夫です。

おもしろいのは、歌の終わり方です。ソレアとは違う、ちょっとおしゃれな落ち着き方をします。そこからギターでもう一度リズムを戻してあげるまでが、ワンセットです。

バンベーラらしい歌のメロディ

後半では、バンベーラでよく歌われる歌が出てきます。韓国ドラマに出てきそうな、とてもドラマチックな流れの歌です。一度聴くと「あ、これか」と分かると思います。

歌い手による伸び縮み

歌の終わりは、歌い手さんによって少し伸びたり縮んだりすることがあります。でも、「バンベーラだから、どうしよう」と身構えなくて大丈夫です。

新しい曲種に出会ったときのチェック

  • □ どの曲とコードが同じか探した
  • □ 右手のリズムがどの曲と同じか探した
  • □ その曲「ならでは」の所を1つ〜3つに絞った
  • □ 絞った所だけ、音源で何度も聴いた

曲種が増えるほど、伴奏はどんどん楽しくなります。覚えてきたことは、ちゃんと貯金になっています。

次の曲種に出会ったら、「また1から」ではなく「何が使えるかな」と考えてみてください。

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